スクラムガイドの抽象的で重要な項目
「アーキテクトを目指すブログ」ですが、今回はアジャイル開発のスクラムについて記載しようと思います。
スクラムガイドの前半に 三本柱
と 価値基準
についての記載がありますが、この 2 項目は抽象的な表現であるが故、実現場では重要視されていない風潮があると感じます。
特に 価値基準
については、私も最初に講習を受けた際は「何だか道徳的の時間に習うみたいな内容だなぁ」くらいにしか感じませんでした。
そのため、今回はスクラムガイドに記載されている 三本柱
と 価値基準
について、少しだけ私の解釈を加え補ってみようと思います。
スクラムの三本柱
スクラムの三本柱は以下となってます。
・ 透明性
・ 検査
・ 適応
これは 価値基準
よりかは分かりやすいと思います。
スクラムにおけるプロセスや成果物の「透明性」を保つ(見える化する)ことで、チームの活動についての「検査」が可能となり、
その検査によって得られたフィードバック基に「適応」させるため様々な調整・取り組みを実施し続ける。
簡素な表現ですが、私は上記のような解釈をしています。
また、 イテレーティブ
で インクリメンタル
というスクラムガイドの表現から、
この 透明性
検査
適応
を「回し続ける」ことが重要と解釈することもできます。(PDCA サイクルのイメージでしょうか)
スクラムの価値基準
スクラムの価値基準は以下となってます。
・勇気(Courage)
・尊敬(Respect)
・公開(Openness)
・集中(Focus)
・確約(Commitment)
これらの重要さは納得できる方々は多いと思いますが、冒頭で述べたように抽象的なため「なるほどなぁ」で済まされてしまいがちです。
しかし、スクラムガイドには下記の様に記載されています。
これらの価値基準がスクラムチームや⼀緒に働く⼈たちによって具現化されるとき、経験主義のスクラムの三本柱「透明性」「検査」「適応」に息が吹き込まれ、信頼が構築される。
つまり、三本柱である 透明性
検査
適応
を実現するためには、この抽象的な価値基準を「具現化」する必要があるのです。
そのため、スクラムを成功させるために最も重要なポイントとして考えるべきだと思います。
三本柱と価値基準の関係
これまでの話を整理します。
- スクラムの理論は
透明性
検査
適応
の「三本柱」によって支えられる - 三本柱 を実現するためには
勇気
尊敬
公開
集中
確約
の「価値基準」を具現化する必要がある
絵で表現すると下記のようなイメージでしょうか。
透明性
検査
適応
がスクラムの三本柱として重要なことは変わりありませんが、
その土壌として 勇気
尊敬
公開
集中
確約
の「価値基準」を具現化できているか? をチームで考える必要があると思います。
価値基準の具現化
それでは 勇気
尊敬
公開
集中
確約
の「価値基準」を具現化するにはどうすれば良いのでしょうか?
そこが非常に難しく悩ましいところです。
なぜなら冒頭の通り「抽象的」であるためです。
故にスクラムマスターやアジャイルコーチの指導は、
- 「勇気を持って発言しよう!」
- 「チームのみんなを尊敬しよう!」
のようになりやすく、ここが「何だか道徳的の時間に習うみたい」と思われてしまい、価値基準が重要視されない要因の1つかなと感じています。
次回は、価値基準の具現化について、私が現場で学び実践したことについて記載しようと思います。